古典を読むうえで、月の名前を知っていることは大前提です。1月は睦月、2月は如月、3月は弥生といったように各月は、それぞれ現在とは違った名前で呼ばれていました。名前が、3月生まれなので弥生(やよい)、5月生まれなので五月(さつき)という人も周りにはいるかもしれません。それは旧月の呼び名の名残です。ここでは、旧月の名前だけではなく、その由来についても説明したいと思います。名前の由来は諸説様々なのですが、その一部をご説明します。きっと人に違いをつけられること間違いなしです。■1月:睦月(むつき)1月は、親類や知人が集まり仲睦まじくする月であるから睦月とされています。■2月:如月(きさらぎ)2月は、まだ寒さが残っており、衣(きぬ)を更に着る月であるから「衣更着(きさらぎ)」とする説が有力です。■3月:弥生(やよい)3月は、弥生の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説が有力です。3月生まれの弥生さん、聞いたことはありませんか?■4月:卯月(うづき)4月は、卯の花が咲く月「卯の花月(うのはなづき)」を略したものというのが定説となっています。一方で、干支の4番目の動物がうさぎであることから卯月とする説もあります。■5月:五月(さつき)5月は、田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたのが短くなったと言われています。五月という言葉は今でもよく使われていて、五月晴れなんて言ったりもしますよね。■6月:水無月(みなづき)6月は、文字通り梅雨が明けて水が涸れてなくなる月であると言われています。昨今は梅雨が長引き、異常気象が続いていると7月までジメジメした気候が続いていますが、当時は6月には梅雨が明けていたのかもしれませんね。■7月:文月(ふみづき)7月は、7月7日の七夕に詩歌を献じ、書物を夜風にさらす風習があるからという理由で文月になったという説が有力です。手紙が大きな意味をしめていた平安時代でも7月というものは特別な月だったのでしょうね。■8月:葉月(はづき)8月は、木の葉が紅葉して落ちる月、すなわち「葉落ち月」「葉月」であるという説が有名です。■9月:長月(ながつき)9月は、夜が長くなってくる季節であることからそう呼ばれています。秋の長夜なんていまでも口にしたりしますよね。■10月:神無月(かんなづき)10月は、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神様が居なくなる月と言われています。そのために神がいない(無)月なのですね。■11月:霜月(しもつき)11月は、霜がおり始める月であることから霜月と呼ばれています。文字のとおりですね。■12月:師走(しわす)12月は、年末にかけて師匠が走る、(普段は余裕を持っているお坊さんも走るほど忙しい)ということで師(匠が)走(る)というのが定説です。月の名前の由来を知っていると、月の名前も覚えやすくなるかもしれませんね。はじめにここでは、現代語ではあまり使われなくなったことばを中心にまとめています。言葉------意味------使い方------訳あらまほし------理想的だ------何事にも先達はあらまほしき------何事においても先生となる人はいてほしいいと------とても・非常に------いとをかし------とても趣があるいみじ------甚だしい(プラスにもマイナスの意味にもなります)------いみじき絵師------優れた絵師おぼゆ------思われる------~とおぼゆる事あれど------~と思われることがあるがげに------実に・本当に------げに、さし向ひて見むほどは------実に、向い合って暮らすにはさらなり------言うまでもない------夏は夜。月のころはさらなり・・・------夏は夜がいい。月が出る時間帯は言うまでもなく・・・つきづきし------似つかわしい・ふさわしい------いとつきづきし------とても似付かわしいつとめて------早朝------冬の頃はつとめて。------冬の時期は早朝(がいい)。つれづれなり------することがなく退屈だ------つれづれなるまゝに------手持ち無沙汰なのでやむごとなし------並々ではない------やむごとなきことあり------並々ではないことがあったゆかし------知りたい------中将 わりなく ゆかしがれば、------中将がむやみやたらに見たがる(知りたがる)のでここでは、現代語にもまだ残っているけれど古典での使われ方とは意味の違う言葉をまとめています。どれもよく聞かれる単語なので、しっかりとおさえておきましょう。言葉------意味------例文------訳あやし------神秘的な・身分が低い・みすぼらしい------あやしき下臈なれども------身分の低い下級の者ではあるけれどありがたし------めったにない・難しい------ありがたきもの。舅にほめらるる婿------めったにないもの。舅に褒められる婿。おとなし------大人びている------かくおとなしき心------落ち着いた心おもしろし------素晴らしい------雪のおもしろう降りたりし朝------雪が趣深く降っていた朝けしき------様子------けしき悪しうなりぬ------機嫌が悪くなったすさまじ------つまらない------すさまじきもの、昼吠える犬------興ざめるもの。昼に吠える犬ながむ(眺む)------物思いにふける------花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に------恋や世の中のことについてぼんやりと物思いにふけって時を過ごす間にののしる------大騒ぎする・評判になる------めでたく造りののしる------見事に造って評判になるはかばかし------はきはきしている------はかばかしうも------はきはきしているもののめでたし------素晴らしい------いとめでたし------大変すばらしいやさし------恥ずかしい・優美だ------世の中を憂しとやさしと思へども------この世の中をつらいとも耐え難いとも思古文に出てくる品詞~動詞編~古文にも現代文の同じように、動詞や形容詞といった品詞が登場してきます。普段日本語を話すときにで、動詞だの形容詞だのと意識しながら話をする方はほとんどいないと思います。しかし、話す言葉と古典で読む文章とは全く違うもので、口語のようにニュアンスやフィーリングで問題を解こうとすると、あえなく撃沈、そして古典の苦手意識ができてしまうということも多いです。あくまでも 口語と、ここで勉強している古典は違うものであることをしっかりと念頭において勉強をすすめていきましょう。古典はニュアンスやフィーリングではなく、 覚えた者が絶対に勝ちます。自分にはフィーリングで解ける能力があるんじゃないかなんて変な幻想は持たずに、1つでも多くの単語を覚えるよにしましょう。長くなりましたが、品詞の1つ動詞について説明します。動詞動詞は、終止形がウ段で終わります。(ラ行変格活用だけは「リ」で終わります。)わかりやすく例を挙げましょう。言ふ、見る、蹴る 全部 ウで終わってますね。ちなみにラ行のものは4つしかありません。ここで覚えてしまいましょう。ラ行変格活用は あり、居り(をり)、侍り(はべり)、いまそかりリズムで覚えましょう。「♪ありをりはべり、いまそかり♪」です。動詞の活用動詞には以下9種類の活用の種類があります。■四段活用活用型/活用形------未然形------連用形------終止形------連体形------已然形------命令形------備考四段活用------ア------イ------ウ------ウ------エ------エ-------上一段活用------イ------イ------イる------イる------イれ------イよ-------上二段活用------イ------イ------ウ------ウる------ウれ------イよ-------下一段活用------け------け------ける------ける------けれ------けよ------蹴るのみ下二段活用------エ------エ------ウ------ウる------ウれ------エよ-------ナ行変格活用------な------に------ぬ------ぬる------ぬれ------ね------死ぬ、往ぬ(いぬ)のみラ行変格活用------ら------り------り------る------れ------れ------「あり」、「居り」、「はべり」、「いまそかり」のみカ行変格活用------こ------き------く------くる------くれ------こ------「来」のみサ行変格活用------せ------し------す------する------すれ------せよ------「す」、「おはす」のみ四段活用は、動詞の語尾が「アイウエ」の4段のみで活用している動詞です。動詞の中では一番多くの種類を持っています。基本的に現代語と同じです。ex.書く、泳ぐ、遊ぶ■上一段活用上一段活用は「イ」段1つで活用をします。数が限られているので、これも覚えてしまいましょう・着る・似る、煮る・干る(ひる)、嚏る(ひる)・見る、廻る(みる)・射る、鋳る(いる)、沃る(いる)、居る(ゐる)、率る(ゐる)・顧みる、用いるのように語尾が「みる」や「ゐる」のもの■上二段活用上二段活用は、「イ」と「ウ」2つの段を用いて変化する活用です。ex.生く、過ぐ、恋ふ■下一段活用下一段活用は「エ」段1つで活用します。これは「 蹴る」だけですので、忘れないようにしましょう。■下二段活用「ウ」と「エ」2つの段を用いて変化する活用です。ex.失す(うす)、捨つ(すつ)、寝(ぬ)■変格活用○行変格活用は、いままで挙げた規則的な活用とは異なり、独自の活用をするものです。ナ行変格活用は 死ぬ、往ぬ(いぬ)ラ行変格活用は 「あり」、「居り」、「はべり」、「いまそかり」カ行変格活用は 「来」(く)サ行変格活用は 「す」、「おはす」以上でで全部になります。まとめ古文ではこれを全部覚えなければいけません。入試でこれだけをきかれることはほとんどありませんが、覚えなければならない箇所ですのでリズムにのってさっさと覚えてしまいましょう。古文に出てくる品詞~形容詞~前回は動詞について勉強をしましたね。今回は形容詞について説明をします。形容詞形容詞とは、現代語と同じように事や者の状態・性質・人の感情を表す言葉で、 終止形が「~し」となります。つまり現代語で言うと、「白い」「うつくしい」「はげしい」などの「~い」で終わるものを「~し」で終わらせて、「白し」「うつくし」「はげし」とするわけです。ク活用とシク活用形容詞の活用には、ク活用とシク活用の二種類があります。この2つは基本的に同じパターンで変化しますので、一緒に覚えてしまいましょう。活用型/活用形------未然形------連用形------終止形------連体形------已然形------命令形ク活用------(く)------く------し------き------けれ-------ク活用(から)------から------かり-------------かる-------------かれシク活用------(しく)------しき------し------しき------しけれ-------シク活用(かり)------しから------しかり-------------しかる-------------しかれリズムが大切です。まずは何も考えずに覚えましょう。「白い」のように「~い」で終わり、「い」を「し」に変えるだけのものは ク活用、「うつくしい」などの「い」を取る活用は シク活用といいます。ところで、上のまとめからは、「から」や「しかり」など、ク活用とシク活用はそれぞれ2パターンあるように思えますが、一体これはどういうことでしょうか。カリ活用カリ活用は、形容詞と助動詞つなげたときに、発音しやすくするために作られたものです。例えば白からずという言葉があったとしましょう。今勉強したように、ク活用やシク活用だけで表現するならば、「白くあらず」となるわけですが、それよりも「白からず」と言った方が発音がしやすいですよね。このカリ活用は、ク活用、シク活用に含まれたものだと考えておいてください。係り結びここでは 係り結びについて説明します。係り結びとは、動詞などの前後について意味をもたせる品詞です。係り結びは助詞の一種なのですが、それとは区別をするために 係助詞と呼ばれたりもします。・今日は早起きしよう・今日こそ早起きしようこの2つの文章があったとき、みなさんはどちらの文章が強調されていると思いますか?おそらく後者の方だと思います。古典でも、この「こそ」のような役割をもつ言葉が存在します。それが係り結びであると考えてください。これから説明する5つを覚えておけば、とりあえず係り結びに困ることはないと思います。ぞ・なむ・こそぞ・なむ・こそは意味は同じです。 強調を意味します。元の文章------係り結びを入れると------現代語訳花咲く------花ぞ咲く------花は咲く水流る------水なむ流るる------水は流れる夜明い------夜こそ明くれ------夜は明るい現代語訳するときには、 特に訳す必要はありません。一応、ぞ・なむ・こそには強さのランキングがあって、ぞ<なむ<こそとなります。や・かや・かには 疑問・反語の意味があります。疑問はそのままの意味です。反語は「 ~でしょうか、いや~ではない」と訳します。前後の文章から意味を判断するようにしましょう。元の文章------係り結びをいれると------現代語訳朝起く------朝や起くる------朝は起きるのか花咲く------花咲くか------花は咲くだろうか。いや…ここでは1番目の文章を疑問で、2番目の文章を反語で現代語訳してみました。係り結びを使うときのルールこの 係助詞を使うと、セットとなる言葉の活用形が変わるというルールがあります。これを係り結びの法則といいます。簡単ですので、覚えておきましょう。ぞ・なむ・や・かは連体形、こそは已然形古文に出てくる品詞~形容動詞~前回は形容詞について勉強をしました。今回は形容動詞について説明しましょう。形容動詞形容動詞とは、現代語と同じように事や物の状態・性質・人の感情を表す言葉ですが、 終止形が「~なり」、「~たり」となります。つまり現代語で言うと「静かだ」というように「~だ」で終わるものを「~なり」で終わらせて「静かなり」とするわけです。ナリ活用とタリ活用活用型/活用形------未然形------連用形------終止形------連体形------已然形------命令形ナリ活用------なら------なり、に------なり------なる------なれ------なれタリ活用------たら------たり、と------たり------たる------たれ------たれ他の活用と同じように、まずは意味を考えずに口にしてリズムで覚えましょう。現代語の「~だ」を、そのまま「~なり」や「~たり」に直すだけでいいのですが、古文独特の語彙が多いので、現代語の感覚が通じにくいところかもしれません。まとめ形容詞・形容動詞どちらにも言えることなのですが、これらはそれ単体だけできかれることはあまりありません。静かなら ずのように助動詞とセットになって出てくる場合がほとんどですので、形容詞・形容動詞と合わせて助動詞もかならず頭にいれておくようにしましょう。返り点漢文を読むとき、また書き下し文にするときに欠かせないのが返り点です。帰り点には「レ点」「一二三点」「上中下点」「甲乙丙点」の4種類があります。ちなみに返り点は、必ず漢字の左下に記されています。次の画像をみながら読み進めてください。 レ点最もよくつかわれるのがレ点です。レ点があるときは、レ点がついている一個したの文字を読んだ後に、レ点の付いている文字を読みます。上に戻って読むから返り点と言うんですね。例文は、有の下にレ点が付いていますので、「月に陰有り」と書き下します。一二三点一二点とも言います。レ点が一個戻るのに使われたのに対して、一二三点は二文字以上の文字を戻るときに使います。一二三点の名の通り、一の次は二へ、二の次は三へとうつります。例文は、「東の方、鳥江を渡らんと欲す」と書き下します。ちなみに、レ点と一二三点がセットになっている場合はどうでしょうか。例文は、「頭を低れて故郷を思う」と書き下します。出てきた順番に規則に従って書き下せば問題ありません。上中下点上中下点は、一二三点を挟んで使います。一二三点では足りないときに登場してきます。例えば例文のように「児孫の為に美田を買はず」なようなものです。甲乙丙丁点甲乙点、甲乙丙点と言う場合もあります。ここまできたら、勘の良い方はおわかりですね。そう、上中下点を挟むのに甲乙丙丁点は使われます。例文は、「頸を延ばして太子の為に死するを欲せざる者莫し」を書き下します。再読文字再読文字とは文字通り、2度読む文字です。返り点を無視して1回読み、その後指示通りに読んでいきます。ここでは8個ある再読文字のうち、「未・将・当・応」について説明をしています。再読文字はテストによく出されるポイントですので、しっかりと抑えておきましょう。 未:未だ~せず「未だ~せず」と読みます。「未」を「いまだ」と「ず」と違った読み方で2回読んでいますね。意味は現代語と同じで、「まだ~していない」と訳します。将:将に~せんとす「将に~せんとす」と読みます。「将」を「まさに」と「~す」と違った読み方で2回読んでいますね。意味は現代語と同じで、「今まさに~しようとしている」と訳します。ちなみに「将」の代わりに「且」を使うこともあります。当:当に~すべし「当に~すべし」と読みます。「当」を「まさに」と「~べし」と違った読み方で2回読んでいますね。1回目は右の送り仮名を、2回目は左の送り仮名を読みます。「将」と「当」は同じ読み方ですが、意味が異なります。「当」は当がつく言葉、当然を伴って「当然~すべきだ」と訳すと覚えましょう。応:応に~すべし当と同じく、「応(まさ)に~すべし」とよ読みます。しかし「応」は推量を意味し、「当然~だろう」、「~かなぁ」と訳します。再読文字再読文字とは文字通り、2度読む文字です。返り点を無視して1回読み、その後指示通りに読んでいきます。ここでは8個ある再読文字のうち、「宜・須・猶・盍」について説明をしています。再読文字はテストによく出されるポイントですので、しっかりと抑えておきましょう。 宜:宜しく~すべし「よろしく~すべし」と読みます。意味は「~するのが良いでしょう」という意味です。文法用語で言うと、適当の「べし」です。この適当という言葉、「適当にやっておいて」のような「何でもいいですよ」という意味ではないですよ!~するのが妥当だろうという意味です。日本語は正しく覚えましょう。須:すべからく~すべし「すべからく~すべし」と読みます。意味は「~する必要があります」という意味です。須らくの須は、必須科目の須ですので、「必須の須、つまり~する必要がある」と覚えておきましょう。猶:なほ~のごとし(~がごとし)「なほ~のごとし(~がごとし)」と読みます。「あたかも~のようだ」と訳します。猶の代わりに「由」を用いることもありますので覚えておきましょう。盍:盍ぞ~せざる「なんぞ~せざる」と読みます。「なぜ~しないのか?」、「~したらどうか?」という意味です。まとめ以上2回に渡ってみてきた再読文字ですが、種類はたったの8つですのでさくっと覚えてしまいましょう! |