じ 助動詞 特殊型《接続》動詞型活用語の未然形に付く。 ①〔打消の推量〕…ないだろう。…まい。出典源氏物語 若紫「僧都(そうづ)は、よもさやうには据ゑ給(たま)はじを」[訳] 僧都は、まさかそのようには(女性を)住まわせなさらないだろうに。②〔打消の意志〕…するつもりはない。…ないようにしよう。…まい。出典伊勢物語 九「身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとて」[訳] 自分の身を(世間に)役に立たないものと(ことさら)思って、京には住むつもりはない、東国の方に住むのにふさわしい国を探し求めるためにと思って。 語法(1)已然形の「じ」 終止形・連体形・已然形とも「じ」であるが、已然形は、係助詞「こそ」の結びに限られ、用例もまれである。(2)呼応の用法(3)「まじ」との違い 注意主語が一人称の場合は②の意味に、二人称・三人称の場合は①の意味になることが多い。 じ 打消推量の助動詞「じ」の連体形。出典万葉集 一八〇七「いくばくも生けらじものを」[訳] いくらも生きられないだろうものを。 じ 打消推量の助動詞「じ」の已然形。出典新続古今集 春下「人はなど訪(と)はで過ぐらむ風にこそ知られじと思ふ宿の桜を」[訳] 人はどうして訪ねないで通り過ぎるのだろう。風には知られないようにしようと思う(が、人には知られたい)わが家の桜を。 じ 【時】 名詞①一日を「六時(ろくじ)」に分けて行う「勤行(ごんぎやう)」の時刻。また、その「勤行」。◇仏教語。②とき。時刻。 じ 【璽】 名詞三種の神器の一つ。八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)。神璽。 じ 【路・柱】 ⇒ぢ |